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ナイトメア
作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
漆黒
べこもち
過去において既知なような観念の悪夢というより悪縁に近い夢を見ることがある。 フロイトは「夢は抑圧された願望の形を変えた成就なのだ」とも述べているが… ならば何処に属したって不適合という深層心理の顯れだろうか。 谷底の川床を流れるように電車の車両は蛇行している。 車内の乗客たちは皆一様に俯いて表情が窺えず、声を奪われたように黙りこくっている。 車窓の左右から映る景色は墨を落とし込んだような漆黒の朝顔が高く反り上がった土手を覆い尽くしている。 乗り違えたと幾度も乗り換えて、どこかの駅で下車する。 バスロータリーから見上げた空模様は一定不変の頑固な曇天。 行く先は曖昧なまま乗車する。バスは見知らぬ町中を水底を動く暗影のように走行している。またどこかで降車する。 夕闇の迫りくる中、錯綜する路地から路地を無限に続くかと思われる彷徨のなか、ぐったりと目覚める。 それでも、ところを得たものか最近の夢では行く先に辿り着くこともあり、ある家の門扉の脇に毛並みのつややかな漆黒の大型犬が親しげに出迎えてくれる。 その潤んだ瞳はどこか知己のまなざしを映しているようにも…。 くろむと名付けようかと密かに思っている。
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ナイトメア
作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ
漆黒
べこもち
過去において既知なような観念の悪夢というより悪縁に近い夢を見ることがある。
フロイトは「夢は抑圧された願望の形を変えた成就なのだ」とも述べているが…
ならば何処に属したって不適合という深層心理の顯れだろうか。
谷底の川床を流れるように電車の車両は蛇行している。
車内の乗客たちは皆一様に俯いて表情が窺えず、声を奪われたように黙りこくっている。
車窓の左右から映る景色は墨を落とし込んだような漆黒の朝顔が高く反り上がった土手を覆い尽くしている。
乗り違えたと幾度も乗り換えて、どこかの駅で下車する。
バスロータリーから見上げた空模様は一定不変の頑固な曇天。
行く先は曖昧なまま乗車する。バスは見知らぬ町中を水底を動く暗影のように走行している。またどこかで降車する。
夕闇の迫りくる中、錯綜する路地から路地を無限に続くかと思われる彷徨のなか、ぐったりと目覚める。
それでも、ところを得たものか最近の夢では行く先に辿り着くこともあり、ある家の門扉の脇に毛並みのつややかな漆黒の大型犬が親しげに出迎えてくれる。
その潤んだ瞳はどこか知己のまなざしを映しているようにも…。
くろむと名付けようかと密かに思っている。
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